31 10月 2011

質問力 続き

前回の続きです。

質問力はどうやって鍛えたらいいのでしょうか?
その方法は人それぞれ意見をお持ちだと思うのですが、私が考える最も重要なポイントは「聞く」という事に専念するということです。前回も書いたように、質問される側の人がどのくらい心を開いてくれているかによって得られる回答が大きく違うということを思い出してください。では、人はどうすれば心を開いてくれるのでしょうか?その答えの一つは、自分を理解してもらう事ではないでしょうか?自分の多くを理解してくれている人には自然と心の扉がひらくものです。相手の事を知るための第一歩としてのプロセスは、「聞く」と言う事ではないでしょうか?相手の話を「聞く」。この行為が相手の心を開く大切な鍵になるのです。

この「聞く」という行為ですが、皆さんは「聞く」ことが出来ていますか?「なんや、聞くなんて簡単な事やし、毎日やってるわ!」って思っていませんか?そう、人はみんな耳を持っていて、健康な人であれば誰もが「聞く」事ができます。だからこをおざなりにしてしまっている行為の一つなのです。人の話を「聞く」という行為は、その人との関係の深さでも大きく異なってきます。また、関係が浅い相手でも、相手の話をよく聞きたいとおもう姿勢があれば必然的に「聞く」ことがよくなるはずです。

つまり、「聞く」という行為は、ただ聞き流すのではなく、相手の話している事をしっかりと受け止めて理解するという事なのです。ここで、私が師匠から教わった話を披露させて頂きます。

皆さんに質問です。「きく」という感じをいくつご存知ですか?「菊」とか、「効く」とか「利く」等の漢字ではなく、ここで話題にしている「聞く」という行為に関して当てはまる漢字としてです。多くの人は、「聞」と「聴」を思い浮かべるはずです。実は、師匠から話を聞いたときに私もこの二つしか思い浮かびませんでした。そこで、師匠が教えてくれた漢字がもう一つあって、「訊く」という漢字です。現在使用している常用漢字では使われなくなった漢字で、知っている人の方が少ない漢字のようです。では、この3つの漢字を並べて書いてみてください。「聞・訊・聴」という順番に書いてみてください。それぞれの漢字に共通している物があるのに気づきますか?それぞれの漢字には人間の体の部分がそれぞれ入っています。「聞」には、「耳」が入っていて、「訊」には、「口」が入っています。そして、「聴」には、「耳」と「心」が入っています。この漢字の並び順には、「聞く」という行動の重要な要素が含まれています。まず、「聞く」という漢字では、相手の言っている内容を「耳」で聞くという行動を表していて、次の「訊く」という漢字では、相手の言っている事に「口」を使って相槌を打つという行動を表しています。そして、「聴」と言う漢字では、相手の言っている事を「心」で聞くという行動が含まれています。

「聞く」という事は、まず、相手の言っている事をしっかり聞いて、ただ聞くだけではなく、相槌や感嘆の言葉で相手に聞いているという行動を示し、耳だけではなく、心にしっかりと書き留めるという行動なのです。この3つを心がける事によって、「ああこの人は私の話をきちんと聞いてくれている」ということが伝わる訳です。そうすると、「聞いてくれている」から「自分を理解してくれている」に変化していき、最後には心を開いてくれるという事なのです。

「この人は、どんなに質問をしても心の内を見せてくれない」と言う人は、まず、相手の話をどんな些細な事でもきちんと聞く事が必要なのです。そうする事により、単に心を開いて真理を話してくれるだけではなく、その人に本当に聞かなければならないことも自然に見えてくるのです。相手の話に耳を傾ける事は、相手のことを深く理解する事であり、「質問」の質を向上させる事に繋がるのです。

人間関係に行き詰まりを感じている方もこの「聞く」という行為の重要性を再認識してみてください。きっと何かが変わると思います。